ハロウィンと子どもの創造性

ハロウィン

ミラノより、こんにちは。

今日は、私が教えるモンテッソーリの子どもの家でのハロウィンのフェスタ(お祭り)について書きたいと思います。モンテッソーリスクールの環境はアートが少ないとか、芸術や創造性が足りない?など言う人がいますが、私はそれは違うと思っています。

お仕事
丁寧に針を使ったお仕事をする子どもの手

例えば、どの国にも季節の行事というものがありますよね。その地域それぞれの文化、風習や伝統の中で生育まれてきたものです。私はそれらを大切にしたいと思っています。

なぜなら、地域や文化と密接した季節の行事は、子どもが大いに創造性を発揮できる場となり得るからです。

「子どもが創造性を発揮できる場」を作り出すためには、子どもたちに環境を与える大人たちの豊かな感性が重要になってきます。そのような場を大人が率先してクリエイトしていくことで、どのようにも作っていくことができるからです。

「子どもが創造性を発揮できる場」は、モンテッソーリの原則に沿って、子どもたちが【自分でできるように】工夫を促しながら、親や教師である私たち大人が自由に創造することができます。

お仕事
ハロウィンの切り紙のお仕事

私たちモンテッソーリ教師は、教師育成コースで、まずはベーシックな土台となる基礎の理論を学びます。

その後、学んだ内容に解釈の発展や独自の意味づけ、体験を通した気づきを構築していくのは、子どもたちと関わる実践の現場での毎日の積み重ねにおいてです。

現場での子どもとの体験が欠けていては、学んだこともただの理論で終わってしまいます。ですから、私は、モンテッソーリにおいては「実践と実体験」が非常に大事だと常に実感しています。

それだけ、子どもたちからは実体験を通した学びを与えられることが多いことを感じるのです。

子どもの家
ハロウィンのデコレーションが飾られた子どもの家の窓

 

さて、ハロウィンの日です!我が校では、子どもたちが思いのままに仮装をして登校します。私たち教師も仮装をして、子どもたちを迎えます。特別な日なので、いつもとは違う空気が流れていますが、今日はハロウィンですからそれでいいのです!

登校した子どもたちは、いつも通り、朝の3時間のお仕事をします。この日は特別にハロウィンのお仕事もいくつか棚に用意をしています。

蜘蛛の巣の縫いさしやカボチャの切り紙、どれも手を使って自分で考えながらできるものばかりです。ただいつもと違うのは、この日のランチ前のお集りの時間です。この日は皆で輪になって座り、カボチャを切り抜き、中にキャンドルを入れてジャックオーランタンを作ります。

かぼちゃ
ジャックオーランタンのかぼちゃ

そして、その時にハロウィンの伝統を紹介する「ストーリータイム」があります。

私たちの学校はたくさんの国籍の子どもたちが通っているので、一つの宗教や文化だけを尊重するのではなく、このようにイタリアの文化ではないものも取り入れています。

アメリカ人の子どもは懐かしく感じるでしょう。全く初めてハロウィンを祝う子どもたちもいるでしょう。子どもたちは、こうやって異文化を肌で吸収していきます。

ランチタイムは、学校の調理師さんが、かぼちゃのケーキをデザートに焼いてくれました!この日は、お昼ご飯を食べて子供達は家に帰る半日保育です。私たち教師は、午後にミーティングをしたり、11月からの環境設定の準備に時間を費やします。

お迎えの時間の前には、魔女の絵本のお話をします。そして父兄がお迎えに来ると、子どもたちはドアに立つ先生に「TRICK OR TREAT!」と言って、バスケットに入った甘いキャンデイを、おやつの代わりに一人一つずつ選美、持ち帰ります。

ハロウィン
ハロウィンの仮装中!

子どもたちは、目をキラキラと輝かせて、駆け足で両親のもとへ帰っていきます。その後ろ姿を見る度に私は勇気をもらいます。

子どもは【今】この瞬間にしか生きていないのです。このような日常の一つ一つのシーン、心の琴線に触れる瞬間も、現場での実践ならではです。

現在、イタリアでは再び、コロナウイルスの感染拡大の歯止めがかかっていません。

日々、子どもたちと過ごす時間は、平和で穏やかなのですが、家に帰って、夜のニュースを見るたびに正直なところ、心が重くなります。お隣の国、フランスは既にロックダウンに入っています。今回は春のような厳しいものではなく、学校は開いているようですが・・・。

ここに来て、イタリアも2回目ののロックダウンの秒読み段階です。そんな状況ですから、今日一日、共に過ごせること自体が奇跡のようであり、尊い時間です。

ロックダウンにいつなってもいいように、オンライン授業の準備は、既にスタンバイできているのですが、それでも、やはり一緒に過ごせる対面の喜びに勝るものはありません。大人は緊迫した空気や街のざわつきを感じています。でも、子どもたちはパンデミックなど関係なく、とても元気ではつらつとしていて希望の光を与えてくれる存在です。

空

世界中で第二波が押し寄せています。また地震や自然災害も増えていますね。北半球も南半球も同じくコロナに翻弄されて、先の見通しの立たない世界です。今、新しい時代へと地球も移り変わる移行期なのでしょうか。

大切なのは、本質を見極めて、優先順位を決め、本当に心から大切だと感じることに全身全霊を注ぐことだと思います。今この瞬間を一生懸命生きている子どもたちから、私たち大人こそ学ぶことができるのではないでしょうか。

日々の暮らしの中に小さな喜びや希望を見出しながら、このチャレンジングな時期を支え合い、共に乗り越えていけたらと思います。離れていても一瞬でオンラインで繋がれる時代です。秋の高い空を見上げては、祈る気持ちです。同じ空の下、どうか無事でいましょう!!

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