イタリア版、VOGUEにて、モンテッソーリ特集が掲載されました!

イタリア版VOGUE

☆緊急のお知らせ☆

前回の記事でもご案内した2020年9月24/25にローマで予定されていたマリア・モンテッソー150周年の生誕祝いの国際会議は、コロナウィルス蔓延による世界のパンデミック悪化の影響を受け、2021年10月23/24に延期となりました。

残念ですが、このような状況では、大勢が会場に集まるのは当分は無理でしょう。一年遅らせることで、ワクチンが開発されたり、何かしら状況が改善していくことを心より願うばかりです。🇮🇹

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さて、今日は前回に引き続き、イタリアより素晴らしいニュースを皆さんにシェアします。今年は、マリア・モンテッソーリ生誕150周年記念の大切な節目の年です。前回は、イタリアの全国紙、LA REPUBBLICAの特集記事を紹介しましたね。(前回の記事:マリア・モンテッソーリ博士の生誕150周年によせて)ご覧になっていただけましたでしょうか。

今朝、イタリア版、VOGUE(N.838号)を手にして驚きました!

普段、ファッション誌はあまり買わないのですが・・・今回は、特集の表紙が子どもが描いたキュートな絵でした。その下に「この特集は、子どもたちと彼らの未来に捧げる」と書かれてあったのです。ピンと張り巡らしている私のアンテナに何か引っかかるものがあり、これは読まなければ!と早速購入して持ち帰ったのでした。

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ムナーリ氏とモンテッソーリの展覧会案内

イタリアで子どもと言えば、ジャンニ・ロダーリ(Gianni Rodari)氏やブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari)氏の顔が思い浮かびます。お二人とも児童文学やアートの世界で、世界を股にかけて大活躍されていますね。今回のVOGUE誌上では、このお二人が同じ特集に取り上げられました。

実は去年、イタリアではムナーリ氏とモンテッソーリの展覧会が美術館で開催されていました。この二人を結びつけるイマジネーションは、多大なものです。教育もある意味、芸術であると思わざるを得ません。

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クリスティーナ・デ・ステファノさんのインタビュー記事

 

そして、モンテッソーリ教育は「子どもたちと未来を考えるとき」に重要な立ち位置にあります。右の写真と記事は、インタビューという形で、クリスティーナ・デ・ステファノ(Cristina de Stefano)さん(「子どもは教師、マリア・モンテッソーリの人生」(RIZZOLI出版)の著書)が記者の質問に明確に答えています。本インタビューでは、新型コロナウィルス 蔓延による都市封鎖、ロックダウン時に世界中が経験したバーチャルなオンライン授業にも触れていました。

結論から言うと、バーチャルな世界を経験したからこそ、見えてきた一筋の光があり、原点に回帰することによって得る新たな出発点がある、といった内容でした。スクリーン上と真反対にある価値観。更に五感を洗練させて、実物に触れる、手を使って感じる、自分で確かめるといった子ども自らの能動的な体験(Active experience)を重要視するモンテッソーリ教育の特徴がとてもわかりやすく説明されていました。

『教育は愛の技術です。』”Educazione e’ una techinica dell’amore”.これはマリア・モンテッソーリの言葉です。

植物を育ててみたらわかるのですが、植物は、日に当たり、水や肥料などの育つのに必要な栄養を得て、開花します。環境も大きなファクターであり、風や影、日光や水を必要とします。誰も道端のタンポポや並木道の桜に、「来年のこの時期に咲いてくださいね」なんてお願いはできません。なぜならば、生命には一定のリズムがあり、自然のリズムがあります。人間の子どもも同じです。すくすく育つためには、決して欠かせないものが存在します。それは、無条件の愛やシェルター、心から安心できる場所、注意力のこもったの優しい眼差し、理性のある尊重、それらがあってはじめて自分の時間に咲くことができる、そのためのお手伝い。これこそが本物の教育だと私は思っています。

お仕事そして、マリア・モンテッソーリはこのような言葉も残しています。”La mano tocca l’evidenza e la mente scopre il segreto”. 『手が証拠に触れ、心が秘密を発見する』。

(注、原文では、La mente (英語:the mind)となっており、日本語では、頭脳、精神、心と様々なニュアンスで訳ができると思います。より原文に忠実に、頭脳と書きたいところですが、日本語では、敢えて「心」とした方が伝わりやすい気がしました。ここに説明を添えておきます。)

ロックダウン中に私たちが経験したようなバーチャルな世界では、実際にお互いに触れることができないので、特に感覚が洗練されつつある幼少期に置いては、心が何かを発見する余白がありません。そのような新たな気が付きをロックダウンがもたらしてくれました。

さて、ここから未来へ向かって、世界中が新たな生き方を模索していると思います。どのような方向に舵を取るのか?リーダだけではなく、一人ひとりの意識の問題ではないでしょうか。今までのようには誰も生きられない。大きな変容の時であると同時に決断の時です。

イタリアもアフターコロナで大きく揺れていますが、社会が新しい可能性を模索して、過去から学び、新しい価値観を堂々と示していくプロセスの中、100年以上の伝統を持つモンテッソーリメソッドが再び注目を浴びて、称賛されていることがとても誇らしく、嬉しく思います。

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